サウナによる最大の「ディープリラックス」効果
これまでおじさんのイメージが強かったサウナも、最近では若い女性の人気も高まってきています。
そして多くの人がサウナに足繁く通う理由の一つが、「ととのう」と呼ばれるディープリラックス効果。
現代社会の疲れを癒やし、心身ともにスッキリさせてくれるその仕組みを見ていきましょう。
サウナの発祥はフィンランド
そもそも、サウナは今からおよそ6,000年前に白夜の国フィンランドのフィン族が、厳しい寒さと労働の疲れを癒すために生み出した「自然健康法」とされています。
石器時代の洞窟サウナ、青銅器時代の地中サウナを経て、現在の小屋で建てられるようになったのは約2,000年前。
古くからの歴史のある温浴法がサウナなのです。
そしてサウナのシンボル、白樺の「ヴィヒタ」には滅菌作用があり、叩くことで体を清浄するととも血流を促し、肌を適度に潤わせる効果があります。また、葉から立ち込める素晴らしい香りがサウナ室内を満たします。
サウナの基本的な入り方
サウナの基本的な入り方としては、「サウナ」→「水風呂」→「外気浴」を1セットとし、これを3〜4回繰り返します。
もし、サウナにじっと座って熱さに耐えるだけで終わっている人がいたとしたら、それはとても勿体ないこと。サウナはあくまでその後の水風呂、そして外気浴で最高の感覚を味わうための準備運動です。
なお、1セットの中で洗髪などの別の行動をプラスするのはNGとされていますが、各セットの合間に行なうのは大丈夫です。水分補給も各セットの間に行いましょう。
サウナで「ととのう」メカニズム
さて、ここから本題の「ととのう」についてです。サウナによって得られる「ディープリラックス効果」ですが、その仕組みをご説明します。
まず、サウナという世界で一番熱い場所(70〜90℃)で人体は生命の危機を覚えます。次に、極限まで熱せられた体が冷水に浸かることで再び生命の危機を感じます。そして、水風呂から上がり、ようやく生命の危機を脱したと判断した人体は、エネルギーの浪費を止めて深いリラックス状態となります。これがいわゆる「ととのう」なのです。
ちなみに体内では何が起きているかというと、サウナ・水風呂と2回も危機を感じることで血中に大量の興奮物質(アドレナリン)が放出されます。そして、その興奮物質が残っているうちに外気浴でリラックスした状態(副交感神経優位)となることで、「体は究極にリラックスしているのに、頭はすごく冴えている」という状態になります。
この日常では味わえない感覚にハマる人が続出しているわけです。
サウナで最大限に整うには?
せっかくサウナに入るからには効果を最大限楽しみたいですよね。それぞれの目安時間は以下を参考にしてみましょう。
・サウナ:6〜8分
・水風呂:30秒〜1分半
・外気浴:2分
ただし、時間はあくまで目安のため、個人の体調に合わせて時間を調整するのがベスト。できる方は以下をぜひ試してみてください。
サウナ
自律神経の状態をより客観的に把握できる「脈拍」を基準に判断します。軽いエクササイズと同程度の負荷となる100〜120回/分程度になったらサウナ室を出るタイミングです。(平常時はだいたい50〜60回/分程度なので約2倍)
ちなみに、汗の量で判断するのはNG。冷えたグラスを室内に置いておくと表面に水滴がつくように、人間の体温はサウナ室の温度よりも低いので、汗ではなく「結露」の可能性がります。
水風呂
のどがひんやりとして吐く息が冷たく感じてきたら出る目安。
水風呂が苦手な人もいるかと思いますが、息を吐きながら入ると、心臓がバクバクせずに楽に入れるのでぜひ試してみて。
外気浴
水分が肌に残ったままだと急速に体温を奪われてしまうので、まずはしっかりタオルで拭き取りましょう。
そして、ととのいタイムが落ち着くまで十分に堪能してください。
ちなみに「クラクラする」というのは寒暖差による単なるめまいなので、体調と相談しながら十分に休憩をとってくださいね。
おわりに
いかがでしたか?
まだ「ととのう」の感覚を味わったことがない方は、なんとなくイメージが掴めたでしょうか?これは体感してみるのが一番なので、ぜひ試してみてください。人によっては、数回繰り返すうちに自分なりのタイミングが掴めてくるかたも多いようです。
体だけではなく脳に溜まった疲労もサウナでの「ととのい」で、リフレッシュを。